下痢便秘を繰り返している
便秘が続いていると思ったら急に下痢になったり、逆に下痢だったのに突然便秘になったりということは珍しくありません。当クリニックにも、下痢便秘を繰り返すお悩みをお持ちの患者様がよくいらっしゃいます。
下痢や便秘が続くということは、腸内バランスが崩れているということです。多くは一時的なもので次第に回復していきますが、下痢や便秘が長期間続いたり、繰り返し起こる場合には、病気やアレルギーがその裏に潜んでいる可能性があります。「便秘体質」「下痢体質」と思い込み、長く検査を受けていない方も一度ご相談ください。特に、以前は快便だったのに下痢気味／便秘気味になったという方は要注意です。身体の中で、何らかの異変が起きている可能性があります。
下痢便秘を繰り返す原因
下痢と便秘が繰り返される主な原因としては、潰瘍性の腸炎、大腸ポリープ、大腸がん、クローン病、すい炎、肝臓がんなどが挙げられます。
なお、下痢だけが続く場合は、感染性のものなのか、非感染性のものなのかを判断し、適切に治療をする必要があります。
便秘だけが続く場合には、大腸がん、腸閉塞、腸管癒着、排便機能の異常、特定の薬によるもの、パーキンソン病、糖尿病、甲状腺機能低下、摂食障害、うつ病などを疑いながら診察します。また、妊娠や人工透析によって便秘が起こることもあります。
下痢便秘を繰り返すのはどんな病気なの？
下痢と便秘が繰り返される場合には、各消化器疾患を中心にその有無を確認する必要があります。
命にかかわるような重篤な病気が隠れている場合もありますので、特に嘔吐を伴うとき、血便が認められるときには、早期にご相談ください。
当クリニックでは、大腸カメラ（大腸内視鏡）検査も実施しております。大腸ポリープ、大腸がんをはじめとするさまざまな大腸の異常を初期のうちに発見することができますので、40歳以上の方、大腸の病気にかかったご親族をお持ちの方は、定期的な大腸カメラ検査をお勧めします。
過敏性腸症候群
便秘と下痢を繰り返すとき、下痢が続くときには、「過敏性腸症候群」を疑う必要があります。
日常的な身体的・精神的ストレスにより乱れた自律神経が、ぜん動運動（腸の内容物を送る運動）を極端に活発化させたり、反対に鈍らせたりして、下痢と便秘が交互に起こります。このような症状は自律神経の乱れによる症状のことが多く、完全になくすことは難しいかもしれませんが、内服薬を組み合わせることで、症状を軽減させることが可能です。上記のような症状でお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
大腸がん
タバコ、アルコール、食事を含む生活習慣の乱れによって起こるとされるのが「大腸がん」です。がんにより腸が塞がれ、便秘を起こします。
大腸がんの中には、大腸ポリープから進展するものもあります。また、大腸がんになった近親者がいらっしゃる方も、大腸がんリスクが高いと言われています。
当クリニックでは、最新式の大腸カメラを完備しております。患者様の苦痛を最小限に抑えた検査が可能です。また、初期のものであれば、内視鏡により切除することが可能です。
大腸ポリープ
食生活の欧米化、ストレスなどを原因として起こるとされているのが、「大腸ポリープ」です。大腸がんと同様、ポリープが腸を塞ぐことで便秘が起こります。大腸ポリープは大腸がんの「タマゴ」となることがあるため、見つかった場合は切除をお勧めします。小さなポリープであれば当クリニックでも日帰り手術（内視鏡を使用して切除）が可能です。
当クリニックでは、最新式の大腸カメラを完備しております。患者様の苦痛を最小限に抑えた検査・切除が可能です。
潰瘍性大腸炎
大腸の粘膜表面からその下層にかけて炎症を起こし、下痢や便秘の原因となるのが「潰瘍性大腸炎」です。
自己免疫疾患や遺伝、食生活などとのかかわりが指摘されていますが、はっきりとした原因は未だ分かっておりません。
その他
当クリニックでは、上記の疾患の他、感染症、パーキンソン病、糖尿病、甲状腺機能低下、摂食障害、うつ病、食物アレルギー、薬の服用によるもの、食事の偏り、運動不足などの可能性も探りながら、正確な診断と適切な治療を行います。
下痢便秘の治療法
下痢にしても便秘にしても、ちょっとした環境の変化、食事内容によって、誰にでも起こり得ます。「私は下痢（便秘）体質だから…」という思い込みは、思わぬ病気の発見の遅れにつながることもありますので、下痢や便秘が続くときには早めにご相談ください。
下痢や便秘が病気を原因とするものであれば、優先的にその治療を行います。並行して、下痢や便秘の症状を抑えられるような生活習慣の改善を行っていきます。特に食事の内容につきましては、胃腸の健康だけでなく、生活習慣病とも大きくかかわっていますので、積極的に改善・アドバイスを行います。
また、当クリニックでは、大腸カメラ検査を行っております。定期的に大腸カメラ検査を受けることで、早期のうちに大腸の出血、炎症、ポリープ、がんを発見し、治療につなげることができます。小さな大腸ポリープや初期の大腸がんは、内視鏡を用いて安全に切除することができます。
日本消化器内視鏡学会専門医による最新式スコープでの大腸カメラ検査は、患者様の苦痛も最小限に抑えられる安心・安全な検査です。
